酒田市安田の住宅の車庫に3日から居座っていたクマが、4日夜、逃げ出した。警察などが夜を徹して付近を警戒しているが、今のところ新たな目撃情報は入っていない。
5日早朝、酒田市安田の住宅の車庫に向かうとクマの姿はすでになく、中身が空の「ワナ」だけが取り残されていた。
市などによると、4日午後10時15分すぎ、3日から車庫に居座っていたクマ1頭が逃げ出すのを、付近を警戒していた警察官が目撃した。
4日に現場を撮影した映像。
車庫の出入り口を塞ぐため、板を立てかけた上でワゴン車をぎりぎりまで横付けしていたが、クマは板の上に空いたわずかなすき間から逃げ出したという。
クマはそのまま集落の東の山の方に向かい、警察がパトカーで追跡したが見失った。
車庫から約1キロ離れた小学校では、5日朝、正門付近で盾を持った警察官が警戒するものものしい雰囲気の中、ほとんどの子どもたちが保護者の車で送られながら登校した。
(学校職員)
「怖い、冬眠の時期なのに何で今ごろ出るんだろう。保護者も送り迎えで大変だと思う」
(鳥海小学校・高橋奈緒美校長)
「安全が確保されるまでは、児童の安全を第一に考えた対応をする。朝は保護者による送迎、帰りは保護者への引き渡し」
学校の敷地内では、クマが車庫に居座る前の3日午前9時半ごろ、同じ個体とみられる体長約1メートルのクマが目撃され、前足などの痕を残していた。
(鳥海小学校・高橋奈緒美校長)
「雪で見えにくくなったが、ここに前足の痕。もっとはっきり見えていたが雪で...」
目撃されたのは、校舎と体育館とをつなぐ渡り廊下の外側で、校舎内への侵入はなかったが、前足の痕は想像以上に高い位置についていた。
(鳥海小学校・高橋奈緒美校長)
「この下からあの窓までなので、かなりジャンプしたと思う。1メートル以上ある」
2メートル近くある板を越え、すき間から逃げ去ったクマ。
市や警察が、周辺の住民に警戒を呼びかけているが、今のところ新たな目撃情報は入っていない。