2025年度から始まる「前期・後期選抜」高校入試は、受験生にとってどんな影響があるのだろう。学習塾で聞いた。
受験生にとってはチャンスが倍に増える「前期・後期選抜」の導入。
特色ある試験を謳う「前期選抜」は、学校ごとに異なる検査内容に合わせた入念な対策が必要となる。
(KATEKYO学院・稲毛祐二さん)
「たとえば、山形東高校の場合、個人面接・作文・口頭試問の3つが課せられる。まるで大学の総合型選抜入試と同じように考える人もいる。山形工業高校であれば個人面接だけ」
前期選抜の試験内容は、「個人面接」「集団面接」「作文」「発表」「学校が課す学力検査などその他」の5つの中から、各高校が1つ~3つを選んで実施する。
いわゆる5教科の受験勉強に加えて、これまで必要がなかった対策を求められ、受験生の負担が増える可能性があるという。
(KATEKYO学院・稲毛祐二さん)
「もし前期選抜でダメだった場合、後期選抜のことも考えて勉強を並行する必要がある。バランスが大事になる」
そして、前期選抜を受験する際の要件には、評定だけでなく学校生活における「経験」が必要となる場合がある。
(KATEKYO学院・稲毛祐二さん)
「生徒会活動と部活動・スポーツ活動・探究活動・ボランティア活動、さまざまなものがあるが『活動』が必須となる場合がある」
県内の公立高校の全日制の志願倍率は、2023年度が0.78倍と7年連続で1倍を割り込み、1998年以降で最低となった。
近年、私立高校を専願する受験生が増える中、この新しい制度は公立高校に志願者を呼び込む一つの策としても期待されている。