県内で活躍する警察官をたたえる「山形県民の警察官」の受賞者を紹介する。29日は、防犯カメラの映像などを分析し、事件を解決へと導く県警本部の巡査部長。
県警本部刑事企画課の伊藤真理子巡査部長(47)。
(県警本部刑事企画課・伊藤真理子巡査部長)
「捜査一課からの依頼発生が増えたので、さらに容疑者の割り出し依頼が来てる」
伊藤巡査部長は、防犯カメラなどの情報分析による「捜査支援」で事件の早期解決に大きく貢献しているとして、2024年度の「山形県民の警察官」に選ばれた。
(県警本部刑事企画課・伊藤真理子巡査部長)
「(Q.情報分析とは?)事件が発生した現場付近に公共交通機関があるのか、車が必ず必要かなど、地理的状況から分析して犯人にたどり着くような仕事をしている」
2002年に警察官を拝命した伊藤巡査部長。
情報分析に関わるのはことし10年目で、所属する捜査支援・総合情報分析係ではチームの中心的な存在。
伊藤巡査部長の仕事は、各警察署から送られてくる捜査資料や防犯カメラの映像などから、容疑者逮捕につながる糸口を探すこと。
その分析力は係の中でも群を抜いていて、2023年度、係に寄せられた依頼の25%、実に事件全体の4分の1で伊藤巡査部長が容疑者を特定した。
殺人や強盗など、重大事件に関わることが多い伊藤巡査部長。
その仕事の原動力は、2人のお子さんの存在。
(県警本部刑事企画課・伊藤真理子巡査部長)
「2人の成長を感じながら、自分も一緒に成長していく感じ。自分の原動力にもなるしお互い高め合う存在」
自衛官の夫と、2人の娘の4人で暮らしている。
係の後輩で、2023年に第一子を授かった横山美奈子巡査部長。
警察官としても、母親としても、先輩の伊藤巡査部長を目標に仕事に取り組んでいる。
(県警本部刑事企画課・横山美奈子巡査部長)
「何事にも積極的に取り組んでいる姿。仕事で頑張っている旦那を支えながら子ども2人を育てている伊藤真理子巡査部長の姿は、同じ女性警察官として模範になっています」
ある日、伊藤巡査部長は、天童市にある県警の合同庁舎を訪れた。
県内の警察署などをまわり、「情報分析」についての講習会を開いている。自分たちの技術を多くの警察官に知ってもらうことで、捜査に役立ててもらおうというねらいがある。
(県警本部刑事企画課・伊藤真理子巡査部長)
「『なくて七癖』ということわざがある。どんなにクセがないように見えてもよく観察すると七つほどクセがあるという意味のことわざです」
この日は、現場に残されたわずかな証拠から犯人の「クセ」を読み取り、過去の犯罪に似たような手口がないか照らし合わせることの重要性などを伝えた。
(県警本部刑事企画課・伊藤真理子巡査部長)
「私ができる最大限の努力をして、私の知識やこれまでの経験で、県民が安全安心で暮らせる街を作れるようにこれからも努力していきたい」
複雑化・巧妙化する犯罪から県民を守りたい。
伊藤さんの情報分析は、県警の捜査には欠かせない「武器」となっている。