知事選の次に控える大型選挙がこの夏の参院選。与野党の候補者の激突が見込まれる中、相乗りの支援を受けた吉村氏の政治信条「恩返し」も注目されそうだ。
26日、吉村氏の当選のあいさつに続いてマイクを握ったのが、夏に改選期を迎える現職の芳賀道也参院議員。
(芳賀道也参院議員)
「政府は暮らしていくことの大変さ、庶民の大変さをわかっているだろうか。吉村知事を先頭に、日本の政治を山形から変えていこう」
芳賀氏は、6年前に非自民の統一候補として初当選した。
再選をねらう中、今回の選挙でも精力的に吉村氏を支援したが、県政の「オール与党化」にもどかしさも感じている。
それは芳賀氏を支える連合山形も同じ。
(連合山形・舩山整会長)
「『オール与党』態勢になったということで、どう参院選に影響するかはわからないが、芳賀道也氏を推薦するという決定の元にしっかり7月に向けて戦っていきたい」
一方、参院選2度目の挑戦となる自民党の大内理加氏。
知事選では吉村氏の事務所開きや出陣式に出席したほか、県議補選の場でも自分の顔と名前の浸透を図った。
(大内理加氏)
「個人の戦いではあるが、一騎打ちの補欠選挙。必ず自民党が総力を挙げて1議席を勝ち取らなくてはいけない」
4年前の知事選で、この大内氏を擁し吉村さんに挑んだ自民党。
今回の知事選では独自候補を擁立せず、吉村氏の支援・相乗りという道を選んだ。
(遠藤利明衆院議員)
「必ずしも同じ方向を向いていない場合もあったと言いながらも、県政を進めるということについては協力しなければできないことが数多くある」
しかし選挙戦で自民の議員が実際にマイクを握ったのは、吉村氏が公務やインフルエンザで選挙を離れた時など限定的なものだった。
吉村氏側からの要請はほとんどなかったという。
その背景にあったのはやはり参院選。
吉村氏からすると、議席奪還をねらう自民から「恩返し」を求められる可能性がある一方で、芳賀氏を支える非自民の側に配慮する必要があることが、今回の「微妙な支援」につながった。
(自民党県連・森谷仙一郎幹事長)
「参院選においては知事に期待ということよりも、普通通り政策を訴えていく。大内氏は党の公認ですから。そう思っている」
夏の参院選までおよそ半年。
県選挙区には、このほか参政党が自営業の佐藤友昭氏の擁立を明らかにしている。