シリーズでお伝えしている「あのニュースの今」。2回目は、ことし起きた「事件・事故」。
三川町の女性殺害事件をはじめ、強盗・死亡事故・大規模火災など私たちの生命財産が脅かされかねない出来事が多く発生した1年だった。
ことしも県内で相次いだ火災。
5月には、大江町で2階建て住宅が全焼。この家の世帯主の50代の男性と、いずれも20代の息子2人・世帯主の80代の母親の4人が亡くなった。
(近所の人)
「世帯主が『火事だ! 火事だ!』と助けようと中に入っていった。煙に巻かれたのか、『うちにいるんだ』と、『中には行けない』と行くのを止めて、泣いてダメだった」
警察によると、火が出た原因は現在もわかっていない。
(リポート)
「南陽市秋葉山の火災は、16時間以上経ったいまも燃え続けています」
同じく5月、南陽市で大規模な山林火災が発生。消防や自衛隊のヘリコプターが上空から消火を試みたが、火の勢いは増すばかり。
(付近の住民)
「ものすごい火だった、バーっと上がって。下火になればいいがおそらくならないだろう、風が吹いていないからまだいいが」
火は9日間にわたり燃え続け、約137ヘクタールの広大な山林が焼失。県内最大の山林火災となったこの火事の原因はわかっていない。
県によると、ことし起きた山林火災は28件と、去年の1.3倍に上る。
原因はたき火やタバコの火の不始末など、人為的なものがそのほとんどを占めている。
(リポート)
「山形市方面から走ってきた軽乗用車がセンターラインをはみ出し、対向車線を走っていた車と正面衝突しました。残されている車を見ると、かなり激しい衝撃だったことがうかがえます」
ことしも相次いだ悲惨な交通死亡事故。
4月、白鷹町の国道348号で、軽乗用車と普通乗用車が正面衝突。軽乗用車に乗っていた90代の女性と70代の男性が死亡した。
10月には、長井市でことし開通したばかりの国道113号「梨郷道路」の交差点で、軽乗用車と大型トラックが出合い頭に衝突。軽乗用車に乗っていた50代と80代の女性2人が亡くなった。
ことし県内では、正面衝突や出合い頭の事故が計746件発生。このうち正面衝突で5人、出合い頭の事故で3人が死亡している。
2023年の同じ時期と比べいずれも1人減ったが、交通事故による死者全体24人のうち、実に3分の1を占めている。
(リポート)
「軽乗用車と大型トラックが出合い頭で衝突した交差点です。3月に梨郷道路が開通してから、この交差点では5件の出合い頭の衝突が起きています」
後を絶たない重大事故に対し、国道113号を管理する国は、車を減速させるためのドットラインを道路に引いたり、すぐそばに交差点があると知らせる看板を設置するなど対策工事を実施した。
(リポート)
「事故が発生した交差点の300メートルほど手前では、ドライバーに注意を促すための文字やラインを塗装する作業が行われています」
さらに12月、梨郷道路の事故多発地点の制限速度を、これまでの時速70キロから60キロに引き下げた。スピードを出さないことが重大事故防止の第一歩。
ことし、各地で起きた強盗事件。
9月、白鷹町の簡易郵便局で男が刃物で女性局員を脅し、現金100万円を奪って逃走した。さらに…。
(リポート)
「強盗事件が起きた高畠町のコンビニエンスストアです。警察が鑑識作業を行っています」
その1カ月後の10月、今度は高畠町のコンビニでも現金13万円が奪われる強盗事件が発生した。
2つの事件では、その後それぞれ男が逮捕されたが、いくつかの共通点があった。
<共通点>
●女性店員が店に1人でいたところをねらった犯行であること
●動機がいずれも「金に困っての犯行」であること
こうした特徴を踏まえ、11月、山形市のコンビニで、強盗への正しい対応を学ぶ合同訓練が行われた。
(県警察本部生活安全企画課・今野奈緒美警部)
「なかなか刃物などを突きつけられると冷静になれない部分があると思うが、相手を刺激しないで冷静に対応してほしい」
<強盗対策>
●日ごろから入店してきた人にしっかり挨拶をして、店内に目を配っていることを感じさせること
●刃物を持った犯人とは距離をとり、逆らわらないこと
そして9月には、三川町役場近くの住宅街で殺人事件が発生。
1人暮らしの90歳の女性が、寝室で死亡しているのが見つかった。
(リポート)
「三川町役場からほど近いこちらの住宅街の中にある現場です。一夜明けたきょうもブルーシートの奥で現場検証が行われています」
殺害されたのは、三川町横山の無職・阿部祥子さん(90)。頭や胸には複数の殴られた傷や首を絞められた痕があり、警察が「殺人」と断定。
警察は延べ3800人の捜査員を投入し、検問や防犯カメラの解析などを積み重ねて犯人の行方を追った。
そして事件発覚から1カ月あまりで、事態は大きく動いた。
(山形県警・川井伸刑事部長)
「本日(11月8日)午前11時36分、被疑者を鶴岡警察署において通常逮捕しました」
逮捕・起訴されたのは、三川町横川新田の無職・石川一馬被告(28)。
亡くなった阿部さんと石川被告の自宅の距離は、わずか3キロ。警察によると、2人に「面識はなかった」とみられている。
(近所の人)
「会えば気さくな子。正直ショックでした、そんなことをする子でなかったので」
さらに警察は、石川被告が殺人事件の数カ月前、別の空き家に侵入し通帳などを盗んだ疑いでも再逮捕するなど、余罪についても調べている。
犯行動機は一体何だったのか…、裁判員裁判は2025年に審理が始まる。