米沢市では、伝統工芸・笹野一刀彫の職人が手掛ける飾り花「笹野花」づくりが盛んに行われている。
笹野花は、雪深い米沢の冬には仏壇に飾る生花がないため、木を削り菊の花に見立てて作ったのが始まりと言われていて、その歴史は1200年以上と伝えられている。
米沢市笹野本町で代々続く一刀彫工房「鷹山」では、去年12月から製作を始め、今が最盛期となっている。
工房の6代目・戸田寒風さんが材料のコシアブラの木を「チヂレ」と呼ばれる刃物で巧みに削り出し、大きさ約10センチの花の形を作る。
そして削った木を「花」へと仕上げる色付けを担当するのは妻・恵子さん。
慣れた手つきで筆を走らせ、赤や黄色・ピンクなど色とりどりの「花」を作り上げていた。
(戸田寒風さん)
「『生花よりも笹野花のほうが昔からの花だから、仏壇に1本は立てなくてはいけない』という思いで買ってくださる人も多い。この笹野花だけは一刀彫の歴史の中で残していきたい」
笹野花づくりは1月いっぱい行われ、工房のほか、1月17日に行われる笹野観音十七堂まつりでも販売される。