温泉街に、ほら貝ともちつきの音が響き渡った。大蔵村の肘折温泉で伝統行事「さんげさんげ」が行われ、災いのない1年になるよう祈りをささげた。
県内有数の豪雪地・肘折温泉。
2メートル近くあった雪はここ数日は落ち着き、それでも積雪は140センチを超えている。
こうした中行われた「さんげさんげ」。
目や耳・鼻など「六根」から生じるけがれを落とし、清らかな心と体で新年を迎える伝統行事だ。
(祈祷)
「さんげ~さんげ~六根罪障」
修験者の衣装に身を包んだ地元住民などが、ほら貝の音を響かせながら地区を回った。
(もちつき)
「よいしょ! よいしょ!」
恒例のもちつきは、感染症予防のためことしも住民や観光客への振る舞いを取りやめ、「お供えもち」を配布。
獅子舞も披露され、家内安全や無病息災を願った。
「頭…今さら良くなっても遅いかも」
(東京から)
「これを見るために来た。健康第一。普通の日常がみんなに訪れると良い」
(新潟から)
「災害が続いているので、ことしは良い1年になればと思う」
訪れた人たちは、飛び入りでもちつきに加わり、災害や争いのない誰もが幸せな1年になるよう祈りを込めていた。