38人が死傷したJR羽越線の脱線事故から25日で19年が経った。現場付近では「慰霊の日」の式典が行われ、参列したJR東日本の幹部が再発防止への誓いを新たにした。
この事故は2005年12月25日の夜、庄内町榎木を走行していたJR羽越線・秋田発新潟行きの「特急いなほ」が突風を受け脱線・転覆し、乗客5人が亡くなったほか、乗客・乗員33人が重軽傷を負った。
事故から19年を迎えた25日、現場付近で「慰霊の日」の式典が行われ、4月に就任したJR東日本の喜勢陽一社長などが、事故の後に設置された慰霊碑に黙とうし、亡くなった人たちの冥福を祈った。
再発防止策として、JR東日本は2017年から酒田市内に突風の危険を予測するレーダーを設置し、場合によっては列車の運行を規制するシステムを運用している。
精度を向上させるための人工知能・AIを実装した2020年度からは、的中率が4年連続で8割を超え成果をあげている。
(JR東日本・喜勢陽一社長)
「この事故は決して風化させてはいけない。安全に対する教訓としてしっかりと社員に受け継ぎ、このような事故を二度と起こしてはならない」
一方で、2024年は走行中の東北新幹線が分離するトラブルや、輪軸の組み立て作業での不正の発覚と安全に関わる問題が相次いだ年だった。
(JR東日本・喜勢陽一社長)
「輪軸問題はプロとしての過信があったと正面から受け止めなければならない。いま自分たちは何をしなければならないのか、何をすべきなのか、あるいは仕事の中に安全上の盲点がないのかを、さらにレベルを上げて取り組む」
事故発生と同じ時間の午後7時14分にはJRの職員などが慰霊棟で黙とうを捧げ、犠牲者を悼む。
※喜勢社長の「勢」の上部は「生」に「丸」。