鶴岡市にある老舗の蒲鉾店では、地元のおせち料理に欠かせない吉野巻作りが盛んに行われている。
吉野巻は、カステラ蒲鉾の生地で緑色の蒲鉾を包んだ鶴岡のおせち料理には欠かせない伊達巻で、福を呼ぶ縁起の良い食べ物として親しまれている。
鶴岡市本町で約100年続く老舗蒲鉾店の滝川蒲鉾では、12月15日すぎから製造が本格的に始まった。
緑色のすり身はクチナシの成分で着色したもので、加工場では蒸しあがったカステラ生地に従業員がへらを使って手際よくすり身を塗った。これを竹の巻き簾で巻いて再び蒸せば、鮮やかな黄色と緑がひと足早い春を思わせる吉野巻が完成する。
(滝川蒲鉾・滝川義朗社長)
「(災害などで)今年は激動の年だった。新年日々新たに、福を巻いてくるよう吉野巻を食べていただき、幸福になってほしい」
正月に向け、店では約1000本の吉野巻を作る予定で、作業は30日まで休みなく続き、この店舗や地元のスーパーなどで販売される。