ことし7月の大雨を受け、県と市町村が今後の課題などについて意見を交わす初めての会議が三川町などで開かれた。
意見交換会は7月の大雨の復興について課題などを聞くために県が初めて主催したもので、22日、吉村知事と県の幹部が出席し、午前は最上地方、午後は庄内地方の自治体を対象に行われた。
このうち庄内地方の意見交換会には5つの自治体の市長・町長などが出席し、それぞれが発言した。
この中で、三川町の阿部誠町長は京田川の治水について触れ、今後の復旧事業の中で流下能力を高めていく対策が必要だと述べた。
また、オンラインで参加した酒田市の矢口明子市長は、農地が流されるなどの大きな被害があった「刈屋梨」について次のように述べた。
(酒田市・矢口明子市長)
「ナシ棚を作る資材費を援助する制度はあるが、それだけではなかなか前に進めない現状。設置費用の支援や棚の耐用年数の要件の緩和など、もう一歩の支援があると前に進める」
(吉村知事)
「意見をもとにできることから取り組んでいきたい。共通の課題については一緒になって政府にも要望していきたい」
最上地方の意見交換会は最上総合支庁で行われ、出席した市町村長が意見を述べ合った。
この中で、戸沢村の加藤文明村長は、集落全体が浸水した蔵岡地区の集団移転を前に進めるための機構改革として、2025年1月1日付で「危機対策室」を「危機管理課」に格上げし、その中に「集団移転対策室」を新設する考えを明らかにした。
その上で加藤村長は「専従する職員が足らず、県から職員の派遣をお願いしたい」と要請し、吉村知事は「前向きに検討する」と応じた。