山形空港の滑走路の延長など、空港の将来ビジョンについて話し合う検討会が20日開かれた。検討会には、空港周辺の住民や大学生などが参加して、意見や提案を述べた。
この検討会は、山形空港が目指すべき将来のあり方について、空港周辺の地域の人から意見を聞くために県が開いた。会議には大学教授などの有識者をはじめ、地元の商工会議所や観光関係者、大学生など20人が出席した。会議で県は、コロナ禍以降、空港利用者が回復傾向にあり、去年が約40万人と過去最多となったことや、インバウンド客を増やすため、国際線の大型機の離着陸ができるよう、滑走路の500メートル延長を検討していることなどを報告した。県によると、滑走路の延長には210億円の事業費がかかると試算されている。参加者からは、空港の利便性を増すためには行き先や便数を増やすことや空港までの交通アクセスの整備も必要だとの意見が出た。
(山形大学4年生・門傅千宙さん)
「山形大学の小白川キャンパス付近に住んでいる人は(空港へ)山形南高校前のバス停から乗ることができて便利だという意見があった。ただ米沢など専用シャトルバスがない場所からのアクセスが不便があるとの意見があった」
また、県が用意した資料について、210億円をかけて滑走路を延長した場合、どれほどの利益が上がるのかシミュレーションが示されていない点について疑問の声が上がった。
(山形大学・山田浩久教授)
「利益がどれだけ上がって、誰の手元にどれだけ金が入って、誰が負債を負うのかというようなものを簡単にでもシミュレートしてもらわないと検討のしようがない」
(山形県空港港湾課・渡部靖課長)
「シミュレーションなどもしている段階ではないので、(今後)シミュレーションも行いながら示しながら検討すべきと思う」
県は来年度、検討委員会を立ち上げ、今回の意見を参考に空港の将来ビジョンを策定する方針。