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【山形】鶴岡市鼠ヶ関に250年続くみこし流し 海の安全と豊漁を願う伝統行事・勇壮に街を練り歩く 4/15

「ペレロ、ロレロレロレロー」
若衆の独特のかけ声が港町に響き渡る。
鶴岡市鼠ヶ関のみこし流しは、地元の厳島神社の例大祭にあわせて毎年4月15日に行われている。
村人が網にかかった弁天様をまつったところ、豊漁が続いたという古(いにしえ)の言い伝えを基に、江戸時代の中ごろから約250年続く伝統行事。
「精進徒(しょうじんと)」と呼ばれる若衆が担ぐみこしには弁天様がまつられていて、行列には子どもたちが担ぐ「こどもみこし」なども加わりながら、雨の中、半日かけて街を練り歩いた。
(精進徒)
「(Q.担いでどう?)初めて担いだ、楽しい。大分出身です。(Q.なぜ担ぐことに?)妻の実家が鼠ヶ関。不思議な祭り、ありがとう!」
(厳島神社・本間雅春宮司)
「都市部・地方に散らばった若者が故郷に戻ってくる。この祭りを楽しみにしている若者たち、ずっと継承していきたいと心からあらためて思う」
そして、クライマックスは地元を流れる鼠ヶ関川でのみこし流し。
「ペレロレロレロレローレ、ソーレ!」
雪解け水が身を刺すような冷たさの中、精進徒たちは懸命にみこしに水をかけて清める。
「よいしょ! バシャ、バシャ」
清められたみこしは、流れに任せながら上流から下流へと繰り返し3回流され、海の安全と豊漁を願う。
これが「みこし流し」と呼ばれるゆえんであり、海の男たちがつないできた地域の誇りでもある。
(地域住民)
「みんな元気が良い。この笛の音を聞くと、春という感じがする」
「天気が悪くて残念だったが、盛り上がっているので良かった」
雨にも負けないみこし流しの勇壮な姿に、港町が活気づいた春の一日となった。