北海道と東北のFNN各局が取材した「各地の推し旅」をシリーズでお伝えする1回目は山形から。飯豊町の自然が織りなす絶景を見ながらアクティビティとグルメを楽しんできた。
（リポート）
「山形県飯豊町に来ています。山々に囲まれた白川湖で、この時期ならではの絶景が楽しめるということで、早速体験してきます」
山形県の南部に位置する飯豊町。
飯豊連峰の麓、雪深い地域にある白川湖で楽しめるのがカヌーのツアー。
（いいでカヌークラブ・堀江守弘代表）
「いいでカヌークラブの堀江と申します。ツアーではキャプテンを務めているので、みなさんからはキャップと呼んでもらっています」
（菅原アナ）
「はい、キャップ！」
出発前に乗り方を教えてもらえるので、初めての人も安心して楽しむことができる。
（菅原アナ）
「もう、びしょびしょなんですけど…」
（いいでカヌークラブ・堀江守弘代表）
「左の水のキャッチが弱いので、左手で水をつかまえる角度でパドルを入れる。ググっと重みを感じますか？ 重みを感じると良い角度です」
1人でカヌーを漕げるようになったら、いざ出発。
5分ほど進むと、見えてきたのが…。
（いいでカヌークラブ・堀江守弘代表）
「いま私たちの左側に広がっているのが、白川湖の中でも一番大きな水没林です」
白川湖の水没林。
雪解け水が大量に流れ込んで湖の水かさが増し、まるで木々が湖から生えているように見える自然がつくる絶景だ。
3月下旬から、ダムの放流が始まる5月下旬までの期間だけ見ることができる。
（いいでカヌークラブ・堀江守弘代表）
「今からこの林の中に入っていきたいと思います」
パドルさばきも安定してきたということで、ゆっくりと水没林の中へ入っていった。
（菅原アナ）
「一気に異世界ですね」
（いいでカヌークラブ・堀江守弘代表）
「陸からとは全然違う景色が広がっています」
カヌーで木々の間をぬって進む。
（いいでカヌークラブ・堀江守弘代表）
「きょうも大量の雪解け水がこの白川湖に流れ込んできています。（Q.何メートルくらい沈んでいる？）2メートル以上あるパドルを刺してみたいみたいと思います。ちょうどついたのでここは2メートル。地形によりだいたい2～5メートルぐらいの水深」
水に浸かっているのはシロヤナギの木、少しずつ芽吹き始めていた。
（いいでカヌークラブ・堀江守弘代表）
「おそらくあと1～2週間くらいで一気に芽が出てきて、黄緑色の新緑が広がっていきます。ゴールデンウィーク明けに、この辺りがすべて葉っぱに覆われたトンネルのようになり、日陰になります」
そして、開けた場所に立つ1本のシロヤナギの木。
水深は約5メートル、大きな木の上の一部分だけが突き出ている。
（いいでカヌークラブ・堀江守弘代表）
「いま目の前にあるこの水没林が、白川湖の中でも一番有名な水没林。なぜ有名かというと、公園のに一眼レフを持ったカメラマンが並ぶ。この木と背景の水没林の景色の写真を撮っている」
このカヌーツアーは、2024年に国などによる「スポーツ文化ツーリズムアワード」を受賞。
地域が生み出す景観と体験型の観光をからめた取り組みが評価された。
（いいでカヌークラブ・堀江守弘代表）
「日本全国・世界中から山形に水没林を見に来てほしい。近年ようやく少しずつ知ってもらえるようになってきた新しいスポット。まだ来たことのない人は足を運び水没林を見てほしい」
水没林のカヌーツアーは5月24日まで予約を受け付けている。
続いて、湖畔にある白川温泉・いいで白川荘へ。
ここでぜひ味わってほしいのが「どぶろくラーメン」。
飯豊町は「どぶろく特区」に認定されていて、白川水系の水で仕込んだ自家製のどぶろくを使って仕上げている。地元産の山菜もたっぷり入っている。
（菅原アナ）
「しょうゆベースの中にお酒の香りがふわっと広がります。普段のしょうゆラーメンよりも、少しまろやかな感じ。まろやかでコクと奥行きが出るような」
スープが絡んだちぢれ麺をすすれば、深いコクとうまみが口の中に広がる。
そして、日によって種類が変わる地物の山菜。
この日は、町特産のワラビをはじめウドやミズなど6種類がのっていた。
（菅原アナ）
「シャキシャキ感もあって、ワラビ特有のぬめりもあっておいしいです」
さらにもう1品。近くで採れたヤマメを使った天丼も隠れた人気メニューだ。
また、白川湖を臨みながらゆったり入れる温泉は、カヌーで疲れた体をいやしてくれる。
温泉と食事は日帰りでも楽しむことができる。
訪れる時期によってさまざまな表情を見せる白川湖。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
カヌーはゆったりとした時間が流れて気持ちがよさそうだが、慣れるまではカヌーを漕ぐのが大変で、慣れてきてようやく景色を楽しめるようになる。
でもその大変さにアクティビティ感があって楽しかった。
どぶろくラーメンには、どぶろくがけっこうたくさん入っているように見えた。
運ばれてくる時にどぶろくの香りがけっこう広がり、食べてみてもお酒の感じがしっかりするが、アルコールは飛んでいるということでびっくりした。
山菜もたくさん入っていて、飯豊の魅力をたっぷり感じられるので、ぜひ味わってみてほしい。
