鶴岡市の出羽三山神社の神職養成所で、恒例行事の「入所みそぎ」が行われた。2025年に入所した2人が、羽黒山中を流れる冷たい川の水で身を清め、養成所での生活をスタートさせた。
鶴岡市にある出羽三山神社神職養成所は東北で2カ所ある養成所の1つで、例年、新しい入所者が行う「みそぎ」が恒例行事となっている。
2025年の新入生は、ともに実家が神社の札幌市・金澤厚成さん(20)と、尾花沢市・廣瀬愛さん(20)の2人で、4月15日に入所した。
気温10℃ほどの中、まず行うのが「鳥船神事」。
神様へ奉仕する前に船を漕ぐような動きで心と息を合わせ、同時に体も温めるもので、作法に則り和歌を唱える。
(鳥船神事)
「神の御前に禊して、すめらが御代に仕えまつらん」
この後、2人は神職など10人と一緒に、羽黒山中にある国宝「五重塔」近くの祓川に入った。
神様との依り代となる「梵天」を抱えながら、雪解け水が混じり冷たさが骨まで沁みる川の水に肩まで身を浸し、清めの言葉である「大祓詞(おおはらえのことば)」を唱えた。
「みそぎ」には、身を清めて神様に誓いを立てる意味があり、2人は5分以上身を浸して養成所での決意を示した。
(札幌市出身の新入生・金澤厚成さん)
「自分の心が清らかになれば良いと思い入った。交流がきちんと出来て、地域の人たちに信頼される神職になりたい」
(尾花沢市出身の新入生・廣瀬愛さん)
「"冷たい"というより"痛い"という感じで、肺が圧迫されて息もしづらかったが、みなさんが一緒だったので頑張れた。将来は介護福祉士としても神職としても人々から信頼され、相談に乗ったり話を聞いたりしながら、頼られる存在になりたい」
2人は今後、1年~2年住み込みで養成所生活を送り、祈祷や祭事など神職としての基本的なことを学ぶという。