製薬会社などが開発した認知症の改善につながる可能性のある「ガンマ波サウンド」と呼ばれる音が、6月から東北のケーブルテレビで放送されることになった。認知症対策の新たなカタチとして期待される。
26日に会見を開いたのは、製薬会社の塩野義製薬と、商品やサービスの研究開発と事業化に取り組むピクシーダストテクノロジーズ・山形市に本社がある東北ケーブルテレビネットワーク。
塩野義製薬とピクシー社は共同で認知症の改善に向けた研究を進めていて、このたび脳の認知機能に良い作用をもたらすことが期待される「ガンマ波サウンド」という音を開発した。
そして、その音を6月から東北地方の10局のケーブルテレビの番組で放送していくという取り組みだ。
会見での説明によると「ガンマ波サウンド」に関連したアメリカの大学の研究ではすでに効果が発表されていて、日本でも東京の国立市の介護施設などで運用が始まっている。
(ピクシーダストテクノロジーズ株式会社・藤森智彦ディレクター)
「暴言・暴力・介護拒否といったスコアが3ポイントほど低減したというデータも出てきている。私たちの技術を使った研究も広まりつつある」
今回運用が決まった背景には東北地方の高齢化率が全国平均を上回っていることや、2045年に65歳以上の割合が43.7%に達する見込みで全国最多となっていることが挙げられた。
(塩野義製薬株式会社・三春洋介執行役員)
「まずはより多くのみなさまにこのような技術があるのを知っていただけるということが大変ありがたい」
「ガンマ波サウンド」が流れる番組は、体操などの健康番組が予定されているという。