県内は3月中旬から霜注意報が出される日が多くなっていて、サクランボの霜被害に注意が必要となっている。25日、霜対策を呼びかける県のキャラバンがスタートし、生産者は「霜を乗り越えておいしいサクランボを届けたい」と意気込んでいた。
県は毎年、サクランボの花芽が霜の被害に遭いやすい3月~4月に、対策を呼びかけるキャラバンを行っている。
25日、上山市で出発式が行われ、生産者の代表が霜対策への決意を表明した。
(JAやまがた南部営農センターさくらんぼ部会・早坂啓一部会長)
「果樹栽培で重要な作業は花芽を霜から守る防霜対策、防霜資材を早めに準備する。気象情報に十分に注意し、適切な防霜対策を行う」
出発式の後、参加者は市内の園地に移動し、対策のポイントなどを確認した。多くの生産者が行っている霜対策が、霜が降りないように園地全体を温める燃焼法だ。
(生産者・枝松博さん)
「火を燃やすことによって温かい空気を上にあげる。その温かい空気を防霜ファンで下におろす」
燃料として使う灯油や装置を動かす電気代が、今までにないほど高くなっているのは
悩みの種だが「おいしいサクランボを作るために」と枝松さんは意気込んでいる。
(生産者・枝松博さん)
「燃料などをケチったから今年は霜にやられたと言われたくないし、サクランボにも申し訳ないからケチらないで頑張っていきたい」
(リポート)
「園地全体を温める方法以外に霜対策として散水氷結法がある。スプリンクラーで水をまいて、あえて花芽を凍らせるという方法」
まいた水が氷ると...。園地は幻想的にも見える景色に変わる。
あえて凍らせることによって花芽の周りを0℃に保ち、それ以下の寒さから守るという方法。長年この方法を採用している須田和弘さんから、外の気温が2℃まで下がったら水をまくこと、水は氷が融けるまでまき続けることなど対策のポイントが説明され、参加者が理解を深めていた。
(生産者・須田和弘さん)
「今年も凍霜害から絶対サクランボを守るという意気込みで行っている。サクランボが山形県に入ってから150年の記念の年、豊作で終われるように頑張りたい」
霜を乗り越えおいしいサクランボを多くの人に届けるため、生産者の気の抜けない
低温との戦いが始まる。