酒田市の画家の男性が1976年の「酒田大火」を描いて市に寄贈した油絵を、市の消防本部が無断で廃棄していたことがわかり、市が男性に陳謝した。
酒田市の画家・小野寺庸介さんが描いた油絵「燃える大地」。
1976年10月の「酒田大火」をモチーフにした600号の力作で、同じ悲劇が再び起きないよう願いを込め、1982年に市に寄贈された。
絵は市の消防本部に展示されていたが、2019年に庁舎の移転・解体のため旧港南小学校に一時保管されていた。
しかし2023年、新しい庁舎に再び飾ろうと絵を確認したところ、保管状況が悪く傷みが激しかったため廃棄処分したという。その際、小野寺さんに連絡はなかった。
18日、市はいきさつを説明した上で、小野寺さんに陳謝した。
(酒田市・安川智之副市長)
「ずっと飾っていくべきところだったが、このたび私どもの不手際でこのような事態になり申し訳ない」
(画家・小野寺庸介さん)
「捨てられたと聞いてショックだったが、もう忘れようかなと思っている。あの大火は忘れないでほしい。市民も忘れがちだが、大火は忘れたころにまた来る」
市は小野寺さんの思いに応え再び展示できるよう、絵が写された写真を拡大し、パネルなどにすることを検討するとしている。