県内企業に相次いだ山形銀行をかたる不審電話により、フラワー長井線を運営する山形鉄道は、1億円あまりをだまし取られたと発表した。
山形鉄道によると、3月10日正午ごろ、山形銀行をかたる自動音声電話が入り、経理担当者が対応した。
電話ではネットバンキングの情報更新を求められ、担当者は誘導された偽のサイト画面にログイン情報やパスワードを入力した。
その後、口座にあった1億828万円が別の口座に送金されていることが判明した。担当者は「ネットバンキングが使えなくなると思い指示に従った」と話しているという。
被害額には、山形鉄道が国や県、沿線自治体の補助を受け、新たな信号システムを導入するための費用の一部が含まれている。
また運転資金も被害にあい、山形鉄道は現在、県や沿線自治体と資金繰りや対応策を協議している。
山形銀行をかたる不審電話による被害は、県内でほかにも複数確認され、警察は企業をねらった「ボイスフィッシング詐欺」として調べを進めている。