いわゆる「106万円の壁」撤廃に伴う負担増を見越し、新庄市の障害者就労支援会社が事業所の閉鎖を決めた問題。会社は27日、整理解雇する217人に対し説明の場を設けたが、出席者からは先行きへの不安の声が相次いだ。
(ユニオンソーシャルシステム・加藤翔社長)
「みなさまの将来を奪ってしまい責任を重く受け止めています。誠に申し訳ございませんでした」
この問題は、新庄市の障害者福祉サービス「ユニオンソーシャルシステム」が県内7カ所で展開する「就労継続支援A型事業所」を2026年3月末に全て閉鎖し、217人を整理解雇する方針を決めたもの。
ユニオン社は一般企業で働くのが難しい障害者と雇用契約を結び、硬式野球ボールの製造などを通して就労の場を提供してきた。
しかし、「106万円の壁」が撤廃された場合、年間6800万円あまりの人件費の増加が避けられないとして「A型事業所」の廃止を決めた。
会社は27日、解雇する障害者に対しほかの「A型事業所」への転職や「B型事業所」での受け入れなど支援策を示したが、出席者からは先行きへの不安の声が相次いだという。
(「A型事業所」利用者)
「『106万円の壁』は本当にひどいものを生み出した。いつの間にか廃止になり悲しい。仕事を維持してほしかった」
(ユニオンソーシャルシステム・加藤翔社長)
「家族から厳しい言葉もあった。『今後、B型になったとして再び悲しませるようなことをしないと断言してほしい』『自分の息子は今回の整理解雇の意味を理解できない』など。十分本人の希望が叶うような支援を実施していく」
ユニオン社は、3月と6月に再び説明会を開き、一人ひとりのニーズを把握して対応していく方針。