大雪による農業被害について、除雪が追い付かず、果樹の枝折れなど多くの被害が出ているにも関わらず、まだ全容がつかめていない。
果樹農家からは今後の収穫への不安の声が上がっている。
(園地案内)
「あの辺から、大きく割れている...」
雪の重みで、太い枝が折れたラ・フランスの木。
大きく割れ、幹の中がむき出しになっていた。
米沢市矢来で果樹園を営む横沢賢一郎さんの自宅裏にある畑では、ラ・フランスのほか、リンゴやサクランボなどが、木の高さの半分まで雪で埋まっていた。
米沢市の積雪は、14日の時点で平年の2倍近い1m41cm。
こちらのサクランボのハウスでは・・・
(横沢賢一郎さん)
「この横のパイプは雪がない所だと、手を伸ばしてやっと届くくらい。簡単に渡れるくらいの高さ」
このため、大変なのが果樹の雪下ろし。
こちらの木に積もっているのは1m程の大きな塊となった雪。
雪が締まり、固くなっていることもあり、なかなか落ちない。
少しずつ、力を入れて削り、この部分を落とすだけで1分以上かかった。
横沢さんによると、今回の大雪の影響でこの畑にあるほとんどの木で枝折れが発生しているという。
果樹農家となって15年、短期間で一気に降った最強寒波の勢いは、これまでに経験したことがないものだった。
(横沢賢一郎さん)
「積雪量としては(過去にも)これくらいはあったが、1週間でこんなに降られると手がまわらない。やれる範囲でまわるしかない」
横沢さんの畑は自宅から離れた山間部にもあるが、除雪が追い付かず、いまも全く状況の確認ができていない。
また、太い枝が折れてしまった木は樹勢の回復まで数年かかると言われていて、今後の収穫にも不安が募る。
(横沢賢一郎さん)
「雪下ろしをしたり、家の周りの雪片付けがあってなかなか剪定に入れない。大きい枝が折れてしまうと収穫量が少なくなる。これ以上被害が増えないことを祈るしかない」
県は今回の大雪による被害の拡大を防ぐため、緊急支援を行う。
具体的には農道の除雪費用や農地に散布する融雪剤の購入費用の補助。
また、農業用ハウスの修理、枝が折れた果樹の防除用の薬剤の購入にかかる費用なども支援するとしている。