障害者の就労支援に取り組む新庄市の会社が、県内7カ所の事業所を2026年3月で閉鎖することがわかった。社会保険料の適用が拡大される、いわゆる「106万円の壁」撤廃に伴う負担増が要因だとしている。
就労継続支援A型事業所の閉鎖を決めたのは、新庄市の障害者福祉サービス「ユニオンソーシャルシステム」。
ユニオン社は、一般企業で働くことが難しい障害者と雇用契約を結び、硬式野球ボールの製造などを通して就労の場を提供する「A型事業所」を、新庄市・天童市など4市1町で計7カ所、「B型事業所」を4カ所のほか、グループホームなど福祉施設の運営を手掛けている。
会社によると、このうち「A型事業所」を2026年3月いっぱいで全て閉鎖し、障害者217人を解雇する方針だという。
県によると、200人を超える障害者の解雇は県内最大規模となる見通し。
厚生労働省が2024年12月、年収要件のいわゆる「106万円の壁」を撤廃する方針を固めたことで、社会保険料の企業負担の増加が見込まれる中、ユニオン社も年間6800万円余りの人件費の増加が避けられないとしている。
加藤翔社長は「負担に見合うだけの収益を上げるのは難しいと判断した。力不足であり、大変申し訳ない思いでいっぱい」と話した。
解雇する障害者については、ほかの「A型事業所」などへの転職を支援し、雇用先が確保できない場合は「B型事業所」での受け入れを計画している。