寒河江市の酒蔵が、2024年7月の豪雨で被災した戸沢村のソバの実とコメを使った「そば焼酎」の仕込みを行った。ことしも"いつもの味"が楽しめそうだ。
そば焼酎の仕込みが行われたのは、創業から189年の老舗・古澤酒造(寒河江市)。
12日は、戸沢村の職員など関係者が集まって、ソバの実とコメ麹を合わせる仕込み作業が行われた。
蒸し上がったソバの実を取り出して粗熱をとると、ソバの甘い香りが蔵いっぱいに広がる。
(Q.香りどうですか?)
「いい香りです。いいそば焼酎ができるんじゃないでしょうか」
県内で唯一そば焼酎を作っている古澤酒造は、2004年から戸沢村産のソバの実とコメを使って焼酎を作っている。
戸沢村は2024年7月の豪雨で大きな被害があったが、焼酎に使う「つや姫」と、ソバの品種「最上早生」が必要な分だけ確保できたことから、ことしも作れることになった。
粗熱をとったソバの実をコメ麹が仕込んであるタンクに入れて、かき混ぜる「櫂入れ」も行われた。
(戸沢村産業振興課・市川泰博課長)
「焼酎の仕込みまでたどりつけて本当にほっとしている。『ことしのそば焼酎もおいしいね』と来年も言えるように、今後も頑張っていく」
(古澤酒造・古澤康太郎社長)
「大災害後に収穫したコメとソバなので、今まで以上に熱心に作っていきたい。きちんとした原料を使ったそば焼酎になるので、おいしく飲んでもらえれば」
今回作られる「そば焼酎」2000本は、2025年12月ごろ県内の道の駅などで販売される。