今年も威勢の良い独特のかけ声が城下町に響いた。上山市の民俗行事「加勢鳥(かせどり)」が行われ、大勢の市民や観光客でにぎわった。
(加勢鳥宣言)
「宣誓、われわれ加勢鳥35羽は約400年の伝統を守り、上山市の繁栄と火伏せを願い、この地に降り立ちました。蔵王下ろしの寒波や冷たい水をもろともせず、力いっぱい飛び跳ね続けることを誓います」
毎年2月11日に行われる上山市の民俗行事「加勢鳥」。
江戸時代初期に始まったとされ、一度途絶えたが66年前に地元有志が復活させた。
(リポート)
「雪が降り防寒対策が欠かせない寒さです。ケンダイと呼ばれるワラミノだけを素肌に被って奇声を挙げます」
みなさんが被っている「ケンダイ」はわらで編んだミノ。
重さは約4キロ~6キロだが、水がかかるとその倍の約10キロ~12キロになる。
「カッカッカー! カッカッカー!」
神の化身である「加勢鳥」の語源は「稼ぎ鳥」。
その昔、上山城の御前で舞を披露した若い衆たちに、酒などを褒美に与えたことが由来とされ、次第に商売繁盛や五穀豊穣・火の用心の願いが込められるようになった。
今年、加勢鳥に扮したのは県の内外から参加した35人。外国人も4人いた。
威勢の良い独特のかけ声を発しながら、城下の商店街や温泉街を練り歩いていると…。
沿道から浴びせられたのは冷たい「祝い水」。小雪がちらつく中での手荒い出迎えに、加勢鳥たちはみな体を震わせていた。
(加勢鳥)
「寒い! 足がしもやけ。2倍くらい腫れている感じ」
そして加勢鳥が過ぎた後に残るケンダイのワラ。これにもご利益がある。
(リポート)
「拾うと縁起がいいとされているケンダイのワラ、早速ゲットです!」
(見た人)
「加勢鳥のワラを拾った。長いものが拾えて良かった。(Q.願い事は?)将来の夢を叶えたい。サッカー選手」
初めて見たというベルギー出身の女性は…。
「ベルギーにはこういう祭りがないのでとても新しい経験。今年から山形に住んでいるので、次回は…参加します、頑張ります!」
加勢鳥は出発から約4時間かけて市内を練り歩いた。
「カッカッカー」