インフルエンザの患者数が今シーズン初めて県全体で警報基準を超え、県が警報を発令した。インフルエンザは重症化すると命に関わる。重症化を防ぐための対策を医師に聞いた。
県衛生研究所が15日に発表した県内の最新のインフルエンザの患者数は1370人で、前の週から2倍以上に増えた。
1医療機関当たりの患者数は県全体で32.62人で、今シーズン初めて警報が発令された。
全国的にも過去最多を更新するなど、流行が拡大しているインフルエンザ。
山形市の小児科クリニックにも朝から次々と患者が訪れていた。
(患者)
「学校でインフルエンザになっている人はいる。学校でも『マスク・手洗いを』と言われる」
(患者)
「(Q.風邪やインフルは?)流行っている。幼稚園で流行っていると昨日言われた。熱が上がってきてしまった。肺炎になっても困るので早め早めにと思い受診した」
クリニックの橋本院長は、今インフルエンザが全国で流行している要因の1つは「コロナ」ではないかと指摘する。
(橋本こどもクリニック・橋本基也院長)
「今シーズンは特に患者数が多くなっていると実感する。コロナの影響でクリーンな(感染対策を徹底した)生活をしていたので、免疫力が落ちていることが要因としてあると思う」
そしてもう一つ、流行拡大の要因が...。
(橋本こどもクリニック・橋本基也院長)
「ことしは"新型"と言われている型が数年ぶりに流行していることが大きな感染につながっている」
国立感染症研究所によると、今シーズンは「インフルエンザApdm09型」という種類のウイルスが、全国の患者の実に9割を占めている。
pdmは「パンデミック」、09は「2009年」の意味で、2009年に世界的に流行したインフルエンザウイルスだ。
当時は「新型インフルエンザAH1N1型」と呼ばれ、感染力が非常に強いのが特徴。
そして、特に子どもに注意が必要なのが、「インフルエンザ脳症」。
重い合併症で最悪の場合、死に至る。重症化を防ぐポイントの一つが「早期受診」。
(橋本こどもクリニック・橋本基也院長)
「脳症は口数が少ない・うとうとしている・けいれんを起こす・異常行動などの症状が出る。薬があるので早いタイミングで受診してもらい、早く診断することが重要」
さらに、重症化を防ぐ一番の対策は「ワクチン接種」。
感染してしまった場合でも、脳症や重症化を防ぐのにワクチンは有効だ。
(橋本こどもクリニック・橋本基也院長)
「接種してもインフルエンザになってしまったということはよくあることだが、元気・軽症で済む。ワクチン接種は有効な手段」
橋本院長は、今後さらに流行拡大のおそれがあるとして、「ワクチン接種は今からでも決して遅くない」と呼びかけている。