県住宅供給公社が発注した山形市の産業団地造成をめぐる「官製談合事件」の初公判が開かれた。入札妨害などの罪に問われている公社の職員など男2人は、「間違いありません」と起訴内容を認めた。
官製談合防止法違反などの罪に問われているのは、県住宅供給公社の調査役・伊藤健一被告(62)と、山形市の建設会社社長・高橋政信被告(74)。
起訴状などによると、伊藤被告は2023年9月、公社が発注した山形北インター産業団地の造成に伴う工事の入札の際、高橋被告に対し、秘密にしなければならない入札金額に関する情報などを漏らし、公正な入札を妨害したとされている。
9日、山形地裁で開かれた初公判で、2人は「間違いありません」と述べ、起訴内容を認めた。
検察は、伊藤被告が情報を漏らした理由について、「2人は趣味のゴルフや飲食を通して親しい関係にあった。『確実に落札したい』と相談を持ちかけられた伊藤被告は、高橋被告の会社に受注してほしいと考え、入札の参加業者や入札予定価格に関する情報を伝えた」と指摘した。
その上で、「公社の職員として業者との不適切な関係は慎むべきだったにも関わらず、犯行に及んだ責任は重い」として、伊藤被告に懲役1年6カ月を求刑した。
また高橋被告には懲役1年を求刑し、裁判は即日結審した。
判決は12月24日に言い渡される。