2022年の豪雨で被災したJR米坂線の復旧を話し合う会議が19日に開かれた。JR東日本から、収支の状況や上下分離をした場合の地元負担の試算が示された。
JR東日本と山形・新潟の両県、沿線自治体が出席する米坂線の復旧検討会議は19日で4回目。
ことし5月以来の開催となり、冒頭のあいさつ以外は非公開で行われた。
会議ではJR東日本から被災前の2019年度の米坂線の収支が示され、収入が9800万円に対し運行にかかる経費が19億4400万円と、大幅な赤字路線であることが説明された。
山間部を走行し積雪が多い路線のため、線路の保守に多く費用を要するという。
また、5月の会議でJR側が議論の土台として示した4つの運行パターンのうち、「上下分離方式」を選んだ場合の地元負担の試算も今回新たに示された。
現在運休となっている今泉駅と坂町駅の区間で年間12億8000万円~17億円かかる見通し。
この試算に対し、自治体側からは「負担が重く国の財政支援を求めたい」との声が上がったという。
(県みらい企画創造部・小中章雄部長)
「JRによる復旧・運営だけを求めても話し合いが前に進まないのも事実。JRが提示した4つのパターンのうち、JRに運営を求めつつも、上下分離・第三セクター移管の可能性を自治体間で検討していくことも重要」
(JR東日本新潟支社・羽中田淳企画総務部長)
「今後に向けて一緒に、地域交通をどうするのか、建設的な議論に持っていきたい」