白鷹町で、ブラックバスを粉末にして、肥料として畑にまく取り組みが行われている。13日、粉末をまいた畑で育てたサトイモを使った芋煮会が行われた。
(住職による供養)
「ブラックバスの駆除の発想を転換し、命の循環・連鎖と、母なる大地を豊かにする…」
白鷹町の「ふる里こども交流館」に集まった人たちが供養しているのは、町の特産・アユの天敵「ブラックバス」。
白鷹町では、アユをブラックバスから守ることを目的とした「ロングラン釣り大会」を4年前に始めた。
開始当初、釣られたブラックバスは全て廃棄されていたが、最上川の環境保全などを目的に活動する「最上川229ネットワーク」の共同代表・今野正明さんが粉末に加工して畑の肥料にした。
鶴岡高専と協力して加工の方法や有効な土壌の研究などを進め、「産業廃棄物」として処理するしかなかったブラックバスの有効活用につなげた。
13日、粉末をまいた畑で育てたサトイモを使い芋煮会が行われた。
町民を中心に集まった約40人が、大きく柔らかく育ったサトイモが入った芋煮を味わった。
(参加者)
「柔らかさがあって、ごつごつしたところがない。そういった特徴なのかなと。美味しくいただきました」
「ブラックバスというと『嫌だ』というイメージだが、使い方によっては『宝』になる。すごく勉強になった」
(最上川229ネットワーク 共同代表・今野正明さん)
「ブラックバスの命を次の命につなげることで、最上川の視点・見方が変わってくるのではないか。より良い最上川を作り上げていきたい」
最上川229ネットワークは、今後も自然環境の保全と外来種の駆除、農業・経済が循環するような仕組みづくりを目指したいとしている。