高校生が「探究の力」で山寺をPRする。ゲームの要素を取り入れた観光ガイドブックと新たな山寺土産となるお菓子の開発、2つのプロジェクトでリピーター獲得をねらう。
(ゲームブック販売)
「山寺の新たな観光ガイドブックを、昔懐かしいゲームブック形式で作りました。よかったら一度手に取って見てみてください」
10月20日、山形市の山寺で販売されたのが「山寺ゲームブック」。
山形中央高校の文理科学部を中心とした「山寺探究チーム」が、山寺へ何度も取材に訪れ、制作を続けてきたもの。
(山形中央高校 文理科学部・杉山直史さん)
「最初は山寺駅から始まって、景色を見たいなら4番へ。見なくていいなら2番へと選択肢がある。4番を選ぶと山寺駅の見晴らし台に着く。そこできれいな景色を見ることができる」
山寺ゲームブックは、名所や土産物店のページにある質問に答えることで次の行き先が決まり、ゲーム形式で観光を楽しめる仕組み。
去年から部員2人で進めていたプロジェクトだが、今年度は新たな仲間も増え、計17人に。
印刷のための資金もクラウドファンディングで集め、このほどカラー刷りのゲームブックが完成した。一冊500円。
この日、初めて販売にこぎつけた。
(山形中央高校 文理科学部・杉山直史さん)
「思っていたよりも良いものができた。観光している時はもちろん、後で読み返したりして、『もう一度山寺に来たい』と思ってほしい」
今後も販売するかを含め、山寺ゲームブックの活用方法を検討していくという。
そして、もう1つの山寺活性化のプロジェクトが「新たな山寺土産の開発」。
学校の近くにある菓子店「佐藤屋」の協力を得て進めてきたもので、ベースとなるのはおなじみの「のし梅」。
昔、出羽三山参りの際に滋養強壮のためにと食べられていたことをヒントに、実際に山寺に登りながら商品の構想を練るなど、研究を続けてきた。
今回のイベントではその試験販売も行った。
(山形中央高校 文理科学部・石井陽向さん)
「江戸時代の方々の体験を追体験できるようないい商品ができた。若者にうけたり、外国人にも食べてもらえる。全世代、いろいろな人にうける商品になっている」
外はシャリっとした食感で、中はじゅわっと梅が香るしっとりとした琥珀糖。
「宝珠山・立石寺に浮かぶ月」をイメージし「宝月のかけら」と名づけた。
12個入りを20箱用意したが、すぐに完売するなど反響は想像以上。
(試食した人)
「おいしい。甘みがあって、口の中で酸っぱいものがジュワっと、広がる感じがする」
「うまかった」
「シャリシャリしている」
「盛り上げてもらいたい。とても魅力的だったので店に寄った。今後もやってほしい」
(山形中央高校 文理科学部・伊藤みやびさん)
「もうほとんど売れてしまっているが、みなさんにとてもおいしいと感想を言ってもらってうれしい」
今後は商品化に向け、SNSでの発信やイベントでの販売を行っていく。
(山形中央高校 文理科学部・黒柳葉月さん)
「山寺に何回も来るリピーター客になってほしい。観光客を増やすきっかけになるような力になっていきたい」
高校生たちの「探究の力」によって、山寺にまた新たな楽しみ方が加わりそうだ。