山形大学が31日に開いた会見で、約20年ぶりに「教育学部」を復活させる方針を発表した。全国的に深刻な教員不足に対応するため、大学の教員養成機能を強化することが主な目的。
(山形大学・玉手英利学長)
「令和8年度(2026年度から)現在の地域教育文化学部を、教員養成を目的とする教育学部に改組する構想を現在検討しております」
これは、31日、山形大学の玉手学長が臨時の記者会見を開いて明らかにした。
山形大学には過去に「教育学部」があったが、2005年に現在の「地域教育文化学部」に組織が改められた。
現在の学部には、「児童教育」と「文化創生」の2つのコースが置かれているが、卒業に教員免許の取得が必要なのは、定員80人の「児童教育コース」だけ。
(山形大学・出口毅副学長)
「地域教育文化学部の設置から約20年が経過し、その間、当時とは人口減少の進行に伴い教育環境もかなり変化している。教員需要の拡大による大量採用への対応も必要になっている。20年前にはそこまで予測できなかったことは現実的なところ」
そのため、2026年4月から新たに設置される「教育学部」では、教員免許の取得を卒業要件とする「学校教育教員養成課程」を120人に増やすなど、教員養成機能をより強化するとしている。
山形大学は、「教員に求められる資質が年々複雑化・高度化する中、それに対応できる教育人材を輩出したい」としている。