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【山形】現役消防士がボランティアで奮闘 知識・技術生かし「優しい活動」心がける DRTJAPAN山形 10/11

7月の記録的な大雨で大きな被害があった地域では、今もボランティアが入っての復旧作業が続いている。そこで活躍しているのが人の手では難しい作業を専門的に行う技術系のボランティア。その活動を追った。

(リポート)
「酒田市常禅寺地区です。こちらでは重機の免許を持ったボランティアが住民の依頼を受け家の前の道路にたまった土砂を撤去しています」

8月の終わり。大雨の被災地、酒田市でボランティア活動を行っていたのは、重機を使って専門的なボランティアを行う団体「DRTJAPAN・YAMAGATA」。

(DRTJAPAN山形・佐藤信一さん)
「重機やチェーンソー・ロープワーク・高所作業ができるよう普段から訓練している団体です。知識・技術を生かした活動がこういった場面で有効になる」

DRT山形のメンバーは約10人。普段は現役の消防士や大工として働いている。
代表を務めるのは、米沢で消防士として活動する我妻清和さん。DRT山形立ち上げのきっかけは、2年前に新潟県北部で発生した豪雨の被災地で技術系NPO・DRTJAPANの活動に参加したことだった。

(DRTJAPAN山形代表・我妻清和さん)
「はじめて技術系のボランティアを見た時に、"本当にかっこいいな"と思った。すごく被災者のために活動している姿を見て、"自分もああいう風になりたい"と思った。消防士の活動は捜索・救助活動が終わるといったん終わりで、その先の復旧・復興を自分も見たことがなかった。みなさんの活動ぶりに、こういう人がいないと復旧・復興はしないんだろうなと思ったのがきっかけ」

いつ県内でも起きるかわからない大きな災害に備えて、我妻さんは集まった仲間と共に活動を始めた。
そして7月25日、県内で記録的な大雨が発生した。
DRT山形は酒田市・戸沢村などの被災地に入り、家の中や敷地に大量にたまった土砂・流木の撤去など、人の手では難しい場所の復旧作業にあたってきた。

メンバーの1人、佐藤信一さんは普段、酒田市の中心部にある消防分署の係長だ。
大雨の当日は100件近い通報が入った。

(DRTJAPAN山形・佐藤信一さん)
「だいたいが『水が冠水して床上まで来て逃げることができない』という感じだった。皮肉な話というか、自分たちの所で災害が起きた時にどういった活動ができるのかという思いがあって各地のボランティア活動に参加していたが、まさか本当に自分の管内でそういった災害が起きると思っていなかった。消防の活動もしつつボランティアも進めていかなくてはいけないので大変な状況」

発災から2カ月半。消防士として働きながら、非番の日にボランティアに向かう日々を続けている。

「おはようございます。今日も集まっていただきありがとうございます」

酒田市内で行うボランティア活動のまとめ役を担っている佐藤さん。朝のミーティングで口にしていたのは...。

(DRTJAPAN山形・佐藤信一さん)
「話すことも大切な活動なので"優しい活動"を心がけて活動しましょう」

10日の活動場所となったのは、大雨ではん濫した荒瀬川がすぐ近くに流れる上青沢の三保六橋近く。

「おはようございます。解体もしたのできょうはこれを片づけます」

流木と土砂が押し寄せ使えなくなってしまった農業用ビニールハウスの撤去作業。
解体した鉄パイプをトラックに積んでいくが...。

(DRTJAPAN山形・佐藤信一さん)
「ビニール、もう少し取れない?」

鉄についたビニールもきれいにはがすのには理由があった。

(DRTJAPAN山形・佐藤信一さん)
「鉄くずになるので、鉄くずを回収してくれる業者に持って行って、少しでも現金に変えられるなら変えたい。変えたものはお宅の住人の方に還元できれば、ちょっとの額にはなるが少しでも手助けできるかなと思って」

ただ片付けるだけではない、これこそがまさに「優しい活動」だ。

(依頼した住民)
「最高にありがたい。あんなの人の手ではなんともならないから、助かった。すごく助かった」

佐藤さんの姿を見て活動に加わった後輩もいる。

(DRTJAPAN山形・齊藤達也さん)
「はじめてのボランティアで、自分は重機の免許も持ってないので最初は敷居が高いのかなと思っていたが、そんなことはなく、自分たちのできる範囲で。消防にもつながるような活動が多くあるので仕事にも生かせるし、信一さんがよく言う『優しい活動をしましょう』という意味がよくわかるなと感じる」

佐藤さんは定期的にボランティアセンターの担当者のもとに通い、ニーズの確認を行っている。
現在、酒田市内で残っている4件ほどの依頼対応は10月中に終えたいと考えているが、今後新たなニーズが生まれれば引き続き対応していく。

(DRTJAPAN山形・佐藤信一さん)
「やはり地元を少しでも元の姿に戻せるように。何が一番住民にとって喜んでもらえるのか、そういったことを考えながら、そこに少しでも手を貸せるように・寄り添えるように活動するのが一番大事かと思っている」

丁寧な、寄り添った「優しい活動」が印象的だった。
DRTJAPAN山形の代表・我妻さんは、「いま起きていること、県内でどんな被害があって被災地の人はどんな生活を送っているのか知ってほしい。そして自分のことのように考えてみることが防災・減災につながる」と話していた。
また、酒田市では現在も人手が必要なボランティア依頼が多数残っていて、一般のボランティアの人手が足りていないという。気になった人は酒田市のホームページを検索してみてほしい。





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