7月の大雨で、遠くは秋田まで流された戸沢村の最上川舟下りの観光船が、きょう（11日）全て戻ってきた。秋の紅葉シーズンに向け、5隻の船が航路に復帰する見通しだ。

流された11隻のうち、きょう（11日）最後の船「第13芭蕉丸」が、150キロ離れた秋田の海水浴場から戻ってきたが...。

（最上峡芭蕉ライン観光・南條裕司さん）
「2つに割れたので使えない。残りの5隻は使える。壊れたところを直してきれいに掃除すれば運航可能。本当に"奇跡の船"」

7月の大雨で、戸沢村の「義経ロマン観光」の船は無事だったが、「最上峡芭蕉ライン観光」の船は16隻のうち11隻が流された。
このうち6隻は損傷が激しく、廃棄されることになったが、100キロ離れた秋田の金浦海岸に漂着した「第1もがみ丸」など5隻は修理すれば使えることがわかり、作業が続けられている。

（最上峡芭蕉ライン観光・鈴木博也運航管理者）
「十分まだ使える。この色の船でずっと船頭をやってきたので愛着もあるし、うれしくなる。少しでも修復して安全運航していきたい」

修理を続けていた5隻のうち、きょうまでに3隻が修理を終え元の姿に復活。秋の紅葉シーズンに間に合った。

（最上峡芭蕉ライン観光・鈴木博也運航管理者）
「16隻あった船のうち10隻稼働できるかわからないが、また川に浮べて最上川舟唄を唄えるのは大変うれしいし響かせたい」

10月、最上峡の山々は真っ赤に色づく。水害を乗り越え、再び客を乗せて走る船。その姿を思い浮かべながら、船頭たちは修理する手に力を込めていた。