警察庁の露木康浩長官は、7月の記録的な大雨で犠牲となった新庄警察署の警察官2人の最後の無線での交信が「濁流に流されるパトカーの中から住民の安全確保のため交通規制を求めるものだった」と明らかにした。
7月25日の大雨で、住民から救助を求める通報を受けた新庄警察署の佐藤颯哉巡査部長(29)と玉谷凌太巡査長(26)が新庄市本合海の福田山橋の近くに出動し、はん濫した川の濁流にパトカーごと流され、その後死亡が確認された。2人の死因はいずれも溺死だった。
警察庁の露木長官は、きのう(4日)視察先の福島第一原発で取材に応じ、濁流に流されるパトカーからの2人の最後の無線での交信内容を明らかにした。
(警察庁・露木康浩長官)
「『まだまだ車が現場に流入してきている。(住民の安全確保のため)交通規制してほしい』という声が、彼らの最後の発信であったとうかがった。彼らは最後まで警察官だった」
露木長官はこう述べた上で、「災害時の警察官の安全確保のため、必要な装備を整えることが極めて重要だと痛感した」と話した。
県警は、殉職した2人について9月17日に警察葬を執り行うとしている。